みんなでチカラを合わせればきっときっと、いろんなことがうまくいく。

海岸の松林は、私たちの先祖が、海風をよけて作物を育てるために長い年月をかけて、植え続けてきたものです。
強い風に吹かれ、塩っけの多い土地で、松は少しずつ大きく育ちました。

屋敷林は暑い夏の日差しを遮り、冬には強い北風から家を守ってきました。
そしていつも、心に安らぎや豊かさをもたらしてくれました。
木は人々の暮らしを支え、人とともにありました。

2011年3月11日。
人々の暮らしとともに、松林も大津波にのまれ、倒され、流されました。何万本とあった海岸林は、折れたり、根こそぎ流されたり。 浜の松林は、すっかり無くなってしまったのです。
屋敷林にも波はおしよせ、なんとか耐えたものたちも根が塩水につかり、やがて枯れていきました。

そういった木たちはガレキと呼ばれ、砂や泥が付いたまま、集められました。
長い間、100年以上も人々の暮らしを守ってきた木は、もう役に立たないもの、死んだものとして燃やされたり、粉砕されてチップにされたりしていきました。

でも、私たちがガレキと呼んで片付けているもの。
津波で流されてしまったもの。
それはかつての人々の暮らしそのものでした。
ひとくくりにしてガレキと呼んでいいようなものではない、思いのかたまりなのです。

その思いを何か残せないか。もしかしたら、木なら。
伐られてから生きてきた年月と同じか、もっと長い期間、製品として使われ、生きられる木なら。もう一度、人々の暮らしを支える存在になれるかもしれない。そのことで、少しでも笑顔になれるかもしれない。
そんな思いが、このプロジェクトの出発点となりました。

東北に、日本に、元気を広げる物語がはじまります。

被災木を家具として再生することで、海岸の松林や屋敷林としての美しい景色の記憶をしっかりと残していきたい。
そして被災地の元気につなげていきたい…。
そんな願いから生まれたイスに私たちはタコマツと名づけ思いを託しました。
東北復興 木づかいプロジェクト"タコマツの木づな"。
元気を広げる物語がここからはじまります。

あなたもぜひ、元気を広げる物語にご参加ください。